バイトにて

自覚症状・・・「じかくしょうじょう」
        患者が自分で感じる病気の状態。
              
               ー「例解」新国語辞書よりー







バイトだった(居酒屋キッチン)。


やっばーーーい、遅刻だあ!!


急いで店に入るオレ。





「遅れてすいません!!今すぐ着替えます!!」






・・とは言わずにもう時間を過ぎているにもかかわらず


バレねえだろ、と急いで更衣室に駆け込む。





ウチの更衣室は狭い。男女共同で2人しか入れずカギもかけれない


なのでひょっとしたらラッキー!!な事件が・・・!!


・・・なんてな、ウチには女の子は一人、


というかめっちゃ年いってるヒトだ・・・。






そんなことはどうでもいい。早く早く着替えなきゃ!!


急いでハンガーにかけてある制服に着替えるオレ。


まずは上着を着て・・・。





そこで、異変に気づく。







くさい







くっせ!!なんだこりゃ!!







その元凶は上着だった・・・。


明らかにその上着からはあのニオイが・・・


あのワキ○の・・







そ、そんな・・・


おれは、おれは、


ワ○ガだったのか・・・・!!








その瞬間、世界は真っ暗になった。


何度も何度も嗅ぐオレ、



「くっせ!!!」



ば、バイトにでたくない!!出れないよ!!






茫然自失






おれは、○キガだったんだ・・


友達のT君のことをみんなワキ○だったと言ってたけど


そのTはtan-chanのTだったのか・・・


そういえば、オレがノビをした時、隣のヒトは寝てた気が・・・







そこまで思い始めたときだった。








上着に初心者マークが付いていない・・


研修生のオレにはついてるはず。







よく見たら名前が


「玉田」(仮名)








そっか!!


オレは誤って先輩のを着ていたのか!!




死ぬほどホッとするオレ。


そして、本当の自分のを見つけおそるおそる袖を通す・・・





くさ・・・くない。





くさくないよ!!!!!


クンクン!

クンクン!

クンクン!

クンクン・・・・・・!





よかった・・・ほんとに・・・






そしてオレは気づく。


自覚症状で言えばワキ○ほど分かりやすいものはないな、と。






自分のニオイが気になるヒト、


安心してください


あなたがもし、臭ければ、




まず気づくのは、友達でも、恋人でも、親でもない、



あなた自身です