疑惑のアルバイト
「よし、焼き鳥盛り合わせを3つとお好み焼き、サイコロステーキにギョウザか、
焼いてる間にグラタンとピザも仕込まねえと・・・・あ、から揚げがねえや」
そう考えてるうちに一つの疑問が浮かんだ。
このバイト・・・・
めっちゃキツイんじゃ・・・・?
ボクのバイトは居酒屋のキッチン。某有名チェーン店である。
が、平日は12時間働いて6万しか売れないという松屋の牛丼にも勝てないおそろしい店である
今日判明したのだが、牛角が駅前に出来てから客足がパタリという
スーパーの出店におびえる八百屋のような理由が発覚、シビアな世の中である
「人件費の方が高くつくんじゃねーか?」
と、お思いのアナタ。ご安心ください。
従業員は全部で7人しかおりません。
もちろん店長を入れて、であります。
そう本日のような日曜でも3人で回します、ホールもキッチンも合わせて。
もっとも今日はヘルプの方が来てくれて4人でしたが。
なぜボクが今日こういう話をしているかといいますと、
きっかけはこのヘルプの方にありました。
その前にボクの担当は、焼き物全てと揚げ物全て、ピザなどオーブン系である。皿洗いもボクだ。
居酒屋のキッチンは大きく分けて4つ、焼き、あげ、厨房、刺しである。
厨房とはフライパンなど料理。刺しは刺身系、たこわさなど、だ。
つまり、これを見れば分かるように既にこの店の半分は
ボクの料理なのだ。
金土日はウチの店といえど混む。ボクが休日、調理が遅くて怒られなくなったのは最近、ホントについ最近である。
今だって余裕なわけない。常に全力でやっている。走り回り。
今日は比較的ラクだった。間に合わないということもなく適度に全力で回せた。
「今日はラッキーだな。」
と、ボクは小さくガッツポーズした。
しかし今日ヘルプに来た人は言った。
「死にそうです」
と。そこで小さな違和感を感じた。
そしてその人の帰り際に話す機会があって話していると・・・・
ヘルプさん「いつもこんな感じなんすか?」
おれ「いや、今日日曜にしてはラクっすよ」
へ「まじっっすか!?これ結構ありえないっすよ!」
お「あれ?他の店とかはこんな感じじゃないんですか?」
へ「そうっすねーー。平日でもホールだけで3,4人はいますよ」
ええええええええええええええ!!!!!!
3、4人て・・・・ウチの全従業員・・・・
てかホールなんて一人である。基本。
ひ、人手不足・・・・
そこからボクの疑惑の目は深まった。。。
「さあ、グラタンもピザもから揚げも仕込んだし料理も出した・・・・・さあ洗いものだ!!」
ウチの店は確かに忙しい。全従業員が7人ととても居酒屋とは思えない所である。
ただいいこともある。
時間が経つのが異様に早い
のだ。今日だって7時間働いたが2時間ぐらいに感じた。
そして、それこそがウチの店の忙しさを最も表してるな。
と苦笑してボクは駅へと急いだーーーー